地代増額請求 |大阪で不動産トラブルを弁護士に相談【田阪法律事務所】

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地代増額請求

土地所有者が毎月得られる地代収入は大切な収入の柱ですが、経済環境の変化や周辺開発等の影響で相場よりも低くなってしまう可能性があります。
相場が低くなり開発等で土地価格のみ上昇すれば、固定資産税・都市計画税の負担が増えて収益が悪化するケースも出てきます。
そこで本記事では、土地所有者が知っておきたい地代増額請求の概要や要件、手続きについて解説します。
 

地代増額請求とは?

地代増額請求とは、土地価格の上昇や経済事情の変動などが生じた場合に、地代の増額を借地人に対して請求することです。
「増額請求」は土地所有者から借主に行いますが、逆に借主から土地所有者に対して地代の減額を請求する「減額請求」という手続きもあります。
 
土地所有者としては、周辺地域より地代相場が低ければ賃料を上げたいと考えており、反対に借主はできるだけ低い賃料で借りたいと考えています。
そのため、お互いに地代の増減額を請求することのできる制度が借地借家法において定められているのです。
 

地代の見直しが必要な理由について

土地を所有する地主としては、地代の管理や見直しは非常に大切な業務です。
例えば、地代の決定当初は周辺が畑だけだったところ、年月が経過して住宅やビル開発などが近隣で進行し、土地価格が上昇するケースがあります。
 
そうなると、土地価格の上昇で固定資産税・都市計画税も増額してしまいます。
地代が当初のままですと、収益が悪化し続ける可能性がありますので、適正な額への地代増額を適宜行う必要があるのです。
 

地代の増額請求が認められる3つの要件

地代の増額に関しては、借地借家法11条に規定が設けられています。
増額が認められる要件については、基本的に以下の3つが定められています。
 

① 「土地に対する租税その他の公課の増減」の場合

土地の固定資産税・都市計画税などの税金の増減を指しています。
 

② 「その他の経済事情の変動」の場合

リーマンショックやバブル崩壊といった耳目を集めたニュースも含めて、経済情勢の変化を指します。
物価指数や労働賃金の指数等から経済の状態を客観的に判断します。
 

③ 「近傍類似の土地地代との比較」で不相当の場合

所有土地と周辺地域の土地との比較で、地代が著しく低い場合などが該当します。
 
上記の3要件を総合的に考慮し、現在の地代が不相当であると認められなけれななりません。
 
ただし、賃貸借契約で「一定期間は賃料増額を行わない」という特約を定めていた場合、当該期間中は増額請求できないため注意が必要です。
なお、減額については当事者間の特約があっても請求は可能です。
地代の増額によって借主が住む家を失うリスクが高くなることがあるため、借地借家法で増額にのみ厳格な規定を設けているのです。
 

増額請求の手続き

増額請求は、主に以下のような流れで行いますので確認しておきましょう。
 

① 裁判外での交渉

まずは裁判外において、当事者間の交渉をはじめます。
地代増額が必要な理由を客観的に示す資料を提示し、現在の地代が不相当であることを伝えて地代の総額を請求します。
この時点で相手が応じれば裁判にはなりませんので、多額の費用や手間が掛かりません。
 
なお、増額請求する前の段階で、土地の賃貸借契約の内容を確認しておき、前述のような特約を定めていないかチェックしておきます。
請求の際は、証拠を残すために配達証明付き内容証明郵便で行いましょう。
 

② 簡易裁判所へ調停の申し立て

任意交渉による解決が難しい場合、簡易裁判所に調停の申し立てを行います。
地代増額請求の場合、裁判の前に適切な地代について調停で話し合います。
調停では弁護士や不動産鑑定士などの専門家が調停委員として選定され、説得や助言などを行います。
 
調停において合意がまとまれば、訴訟での費用や時間を掛けずに済みます。
したがって、この時点で話がまとまるケースも多くあります。
 

③ 地代等増額請求の訴訟

調停で合意ができなかった場合は訴訟を行い、裁判所が地代増額請求を認めるか判断します。
基本的には、判断材料として裁判所指定の不動産鑑定士が作成した鑑定書を参考に地代を確定します。
一般的には、双方主張金額の中間値に近いところに決まることが多いようです。
 
なお、裁判によって増額が正当とされるまでは、借主は自身が相当と思える額を支払えばよいということになっています。
判決が下るまでは、請求後の増額分の地代は得られませんので注意しましょう。
 

請求には弁護士や不動産鑑定士の協力が必要不可欠です!

地代増額請求の概要や地代見直しが必要な理由、請求が認められる要件や手続きの流れについて解説しました。
請求を正しく行うためには、必要な手続きを知り法律にも注意する必要があります。
 
地代の計算や裁判までの手続きも複雑ですので、必ず弁護士や不動産鑑定士に相談しながら、地代の増額請求は検討していきましょう。

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