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借地権者から買い取りたい

借地権者から借地権を買い取りたいと考えている土地所有者もいらっしゃるのではないでしょうか。
借地権設定契約、つまり、建物所有を目的とする土地の賃貸借契約は、借地借家法が適用されるため、容易には解約できません。
そのため、借地権の解除ではなく、借地権を買い取る形で、底地の解消を目指すわけです。
この記事では、土地所有者が借地権を買い取る際のポイントを紹介します。
 

1.借地権、底地とは

土地を貸している場合、土地の所有者を借地権設定者、土地を借りている人を借地権者と言います。
借地権者は、土地の上に建物を建てて自分で住んだり、賃貸経営をしているのが一般的です。
借地権者が借りている土地の権利を借地権と言います。
一方、借地権者に貸している土地のことを土地の所有者側からは、底地ということがあります。
 

1.1借地権の売却方法

借地権者が借地権を売却する際は、土地の所有者の承諾を得なければなりません。
土地の所有者からすると、借地権者の経済力や信用などを考慮して土地を貸しているわけですから、借地の売却により、借地権者が変わる場合はその都度、確認が必要だからです。
そして、借地権者が借地権を売却するに当たっては、土地の所有者に対して、譲渡承諾料を支払うのが一般的です。
相場は、借地権価格の10%とされています。
また、借地権は、土地の市場価格で売れるわけではなく、借地権割合に応じた価格になります。
例えば、借地権割合が60%ならば、市場価格の60%です。
ここから、譲渡承諾料が差し引かれることになります。
つまり、借地権だけではそう高い価格で売れるわけではないということです。
 

1.2底地の売却方法

土地の所有者が底地を売却する際は、借地権者の承諾を得る必要がなく自由に売却できます。
ただ、底地の場合、買い取った人が自由に使えるわけではないため、買い手がなかなかいない上に、仮に買い手が見つかったとしても、売却価格は、市場価格の10%から20%程度にしかなりません。
売却に法的な制限はなくても実際は、売りにくいわけです。
 

2.土地の所有者が借地権を買い取るのはどのような場合か?

土地の所有者が借地権を買い取るのは、底地の状態を解消したい場合です。
土地の売却を検討しても、底地のままでは売りにくいわけですが、借地借家法が適用される借地権が設定されている場合は、賃貸借契約を解除することは容易ではありません。
そこで、借地権を買い取る形で、底地の状態を解消し、完全な所有権を回復した後で、市場価格で土地の売却を行なおうというわけです。
 
借地権者の立場から見ても、借地権を第三者に売る場合は、譲渡承諾料を支払わなければならないところ、土地の所有者に売る場合は、譲渡承諾料を支払わなくてよいため、より高い価格での売却が期待できるわけです。
 
このように、土地の所有者と借地権者の思惑が一致する場合は、土地の所有者が借地権を買い取る流れになりやすいです。
 

3.土地の所有者が借地権を買い取る時の価格相場は?

土地の所有者が借地権を買い取る時の価格相場は、土地の所有者と借地権者のどちらから提案したのかにより、違います。
 

3.1土地の所有者から提案した場合

土地の所有者から借地権の買い取りを提案した場合の買取価格の相場は、借地権割合に基づき、更地価格の60〜70%になります。
さらに、借地権者の引越し費用や新居を構えるための費用なども補償する形でこの価格に上乗せする必要があります。
つまり、土地の所有者から提案する場合は、出費が多くなるということです。
 

3.2借地権者から提案した場合

借地権者から借地権の買い取りを提案した場合の買取価格の相場は、更地価格の50%程度に落ち着くことが多いです。
借地権者は、借地権割合に基づく価格での買い取りを求めることも多いですが、交渉次第で買い取り価格を下げることができるわけです。
そもそも借地権だけではそう高く売れるわけではないため、土地所有者に買い取ってもらった方が、手間がかからないし、手元に残るお金が多くなるとの判断で、借地権者側も買い取り価格がやや低くても承知することが多いです。
 

4.土地の所有者が借地権を買い取る時の交渉のポイント

土地の所有者が借地権を買い取る際に注意したいことは、買い取り価格を低く抑えることに拘り過ぎないことです。
あまりに低額な買い取り価格を提示すると、借地権者は買い取りに応じてくれませんし、第三者への売却を検討してしまい、交渉がうまくまとまらなくなってしまいます。
また、土地の所有者と借地権者の関係が悪化してしまっては、地代の支払いなどでもトラブルになりかねません。
借地権者からの提案でも更地価格の50%が限度で、これより低い価格を提示すると、さすがに交渉は決裂すると考えましょう。
 

5.土地を売却することが最終目的なら同時売却も検討しよう

土地の所有者が借地権を買い取る目的が、自ら土地を使用収益するためではなく、売却のためであれば、借地権との同時売却も検討しましょう。
同時売却とは、土地の所有者の底地と借地権者の借地権を同時に同じ人に売ることです。
底地と借地権がセットになることで、土地の完全な所有権を取得できるため、更地の市場価格での売却が可能になります。
土地の所有者が借地権者から借地権を買い取ってから売却する場合は、借地権を買い取るための諸費用が掛かってしまいますが、同時売却ならば、この諸費用を省略できるため、土地売却後の利益が増えるというメリットがあります。
もちろん、土地の所有者と借地権者の双方にとっても、底地や借地権を単独で売る場合よりも高く売れる可能性があるため、お互いにとってメリットがあります。
 

6.底地と借地権の等価交換という手段もある

広大な土地の一角に借地権者が建物を建てて居住している場合は、その建物周辺のみ、土地の所有権を借地権者に譲渡し、その代わりに、土地の借地権を返還してもらう方法もあります。
底地と借地権の等価交換と呼ばれる手段です。
この場合、借地権者は、使える土地が建物周辺に限定されてしまいますが、土地の所有権を取得できます。
一方、土地所有者も建物周辺の土地は手放すことになりますが、残りの土地については完全な所有権を回復できるため、更地の市場価格での売却が可能になります。
底地と借地権の等価交換を行う場合は、具体的な分割の割合や面積、形状、既存建物の取り壊し費用、交換条件など様々な交渉が必要になります。
 

7.介入権の行使

借地権者が借地権を第三者に売却する際は、土地の所有者の承諾を得なければなりません。
譲渡承諾の依頼が来た段階で、土地の所有者が借地権の買い取りを希望していたとしたら、どうしたらよいのでしょうか?
 
もちろん、「うちで買い取るから、譲渡しないでくれ」という形で交渉することも可能ですが、借地権者が応じてくれないこともあります。
この場合、土地の所有者は、譲渡承諾を拒否できます。
 
土地の所有者が譲渡承諾を拒否すると、借地権者は借地権を売れませんが、借地非訟という手続を裁判所に申し立てて、土地の所有者の承諾に代わる許可を裁判所に求めることができます。
裁判所が許可を与えてしまうと、土地の所有者の承諾なく借地権を第三者に譲渡できてしまいますが、裁判所への申立てがあった段階で、土地の所有者は「優先買受けの申立て」を行うことができます。
つまり、裁判所が定める一定期間内に土地の所有者が自ら借地権付き建物の譲渡を受ける旨の申し立てです。
この申立てが裁判所に認められれば、裁判所の定める対価により、第三者に優先して借地権付き建物の譲渡を受けることができます。
これを「介入権」と呼んでいます。
介入権は、裁判手続上で行使する形になるため、土地の所有者自身が行うのではなく、借地権の問題に詳しい弁護士に相談すべきです。
 

8.借地権買取交渉は弁護士に依頼しましょう

この記事で紹介した借地権の買取交渉は、普通の土地の売買契約と異なり、様々な法律問題が絡みます。
特に、土地所有者と借地権者の間で、借地権の買取に関する交渉を行う場合で、決裂してしまった時は、その後の借地契約関係に悪影響を及ぼしかねません。
こうした交渉は、当事者が直接行うよりも、弁護士に任せた方が、冷静に話し合うことができますし、より良い形での解決が可能になります。
借地権買取交渉を検討している方は、借地権の問題に詳しい弁護士に相談し、又はご依頼ください。
 

9.大阪淀屋橋近辺での借地権買取交渉はみやこ法律事務所へご依頼ください

大阪淀屋橋近辺で借地権買取について、悩んでいる地主の方は、みやこ法律事務所にご相談ください。
みやこ法律事務所の代表弁護士は、自ら不動産売買や不動産収益物件の運用経験も有しており、地主の立場を身をもって知っています。
借地権買取交渉に失敗すると、その後の借地権者の関係がうまくいかなくなりますし、地代収入にも影響が出てしまう恐れがあります。
借地権買取交渉を初めとする不動産関係のお悩み事は、みやこ法律事務所へご相談ください。

大阪・淀屋橋で15年!実績豊富弁護士が在籍!

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