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賃貸物件からの立退きを求めたい

建物の賃貸を行っている場合、トラブルや突発的な事情等により入居者(賃借人)に立退きを求めたいケースがあります。
しかし、立退きの交渉は手順や話の進め方を誤ると、入居者(賃借人)との対立や裁判になるリスクも存在します。
そこで今回は、入居者(賃借人)に物件からの立退きを要請するケースや交渉を進める方法、立退き料の相場やトラブル防止のポイントも解説します。
 

賃貸物件からの立退きを求める2つのケース

賃借人に立退きを要求する場面としては、主に下記の2つのケースがあります。
 

① 賃貸人の都合による立退き要求

まずは賃借人に重大な契約違反等がなく、賃貸人の都合で立退きを要求する場合です。
具体的に言えば、下記のようなケースが該当します。
 

  • ・賃貸人が物件を自己で使用したい場合
  • ・老朽化のため建て替えを行いたい場合
  • ・建物取り壊し後に、更地の状態で売却したい場合

 
賃借人に退去してもらうためには、その前提として、賃貸借契約を終了させる必要があります。
賃貸人から解約する場合には、立退き料など正当の事由がないと解約できない旨が借地借家法で定められています。
 
したがって、賃貸人都合の場合には、立退き料を支払うことが通例となっています。
 

② 賃借人側の契約違反が理由の立退き要求

一方で、賃借人が重大な契約違反やトラブルを起こしたため、物件からの立退きを要求するケースがあります。
具体的には下記のような場合です。
 

  • ・家賃滞納を数カ月以上した場合
  • ・ペット不可の物件で動物を飼育していた場合
  • ・無断で内装工事を行った場合
  • ・物件の無断譲渡や転貸をした場合
  • ・騒音や悪臭などのトラブルを何回も起こした場合

 
こうしたケースでは、まず賃貸人が上記の様な事例の証拠収集や事実関係の調査を行い、賃貸借契約の解除ができる程度の問題かを検討します。
なお、悪質な契約違反や法令違反であれば、賃借人の債務不履行を理由として、賃貸借契約を解除することができ、この場合には賃貸人が立退き料を支払う必要はありません。
 

立退き料の費用内訳や相場について

立退きにはどのような費用が掛かり、相場はどのくらいなのでしょうか。
主な費用としては以下のようなものがあります。
 

① 引越し費用

単身の場合は3万円ほど。
人数・引越し時期・荷物量・引越先までの距離等で変動。
 

② 新居に必要な初期費用

入居時に必要な敷金・礼金・仲介手数料・1ヵ月分の家賃・火災保険料等。
 

③ 電話やネット環境整備に必要な費用

光回線の導入などで15,000円~20,000円程度必要。
掛からないケースもある。
 

④ その他

エアコンの移設費用、迷惑料や慰謝料の支払いが必要な場合もある。
 
上記費用の合計での相場として、立退き料はおおよそ家賃の6カ月~1年分程度になるケースが多くなっています。
 

立退き交渉で知っておきたい3つのステップ

賃貸人都合での立退き交渉の際には、基本的に下記の3つのステップで話を進めていきます。
 

① 立退き要求の通知や理由説明

最初に賃貸人から入居者に対して、立退きを要求する通知を送ります。
賃貸人都合で立退きを要求する場合は、賃貸借契約終了の6カ月前までに解約する旨を伝える必要があります。
 

② 立退き時期や立退料などについて交渉

立退きの時期や立退料などについて交渉を行い、入居者が納得してくれるタイミングや金額で立退きの準備を進めます。
お互いが合意できる妥協点を早期に見つけることが重要です。
 

③ 立退き開始

合意できたら立ち退きを開始します。
トラブル防止のため「期日までに立退きが完了した場合に立退料を払う」という条件を事前に定めておきましょう。
 

トラブル防止のための注意点やポイント

賃貸人都合で立退き交渉をする際には、トラブル防止のため下記のポイントについて注意するようにしましょう。
 

① 納得できる理由を説明する

賃貸人都合の場合、入居者が納得できる立退きの理由を説明しましょう。
例えば、老朽化での建て替えの理由では、危険性を示すデータなどを見せて納得してもらいましょう。
 

② 書面に交渉内容を記録する

口頭だけでは「言った・言っていない」のトラブルになる可能性が高いため、ある程度話がまとまったら書面に交渉内容を記録しましょう。
 

③ 立退き費用を事前に把握しておく

入居者の家族構成や生活状況、近隣の家賃相場や引越し費用なども把握し、どの程度の立退き料を提示すれば納得してもらえるか検討しておきましょう。
 

④ 専門家への依頼や交渉決裂時のケースも想定しておく

解決が難しい場合には、弁護士などへ交渉依頼をするのも一つの方法です。
また、交渉決裂時には裁判を行うのかどうかも考えておきましょう。
 

立退き交渉には事前の準備とトラブル対策が必須です!

賃貸人から立退きを要求するケースや立退きの費用・相場、交渉のステップやトラブル防止のための注意点も説明しました。
入居者(賃借人)との立退き交渉では、必要な事前準備とトラブル対策を十分に行い、感情的にならないようにしながら話を進める必要があります。
 
賃貸人だけでの交渉は難しいため、ぜひ弁護士などにも相談しながら立退きに向けた話し合いを行ってみて下さい。

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